皆さんの中には、“カンジダ”という名称を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。お口の中にもカンジダ症という病気があります。

今回は口腔カンジダ症について詳しくお話しします。

カンジダって何？

カンジダ菌とは、真菌（カビ）の一種です。カビというと「汚い」イメージを持っている方もいるかもしれませんが、カンジダ菌はもともと私たちの体に潜んでいる常在している菌です。

カンジダ菌が異常増殖すると発症する

口腔カンジダ症は、免疫力が低下している時や、抗菌薬・抗がん剤・副腎皮質ステロイド薬など薬による影響、唾液量の減少などが原因で、カンジダ菌が異常増殖すると発症します。

普段悪さをしない菌ですが、免疫力の低下によって病原性を発揮することを「日和見感染」と言います。カンジダ症は人から人へ感染することはありません。

どのような症状がでるの？

・頬や舌に白い苔のようなものが付着します。

この白い苔のようなものは、ティッシュやガーゼで拭きとることができますが、無理に拭いとるのはしない方がよいです。

・舌が赤くヒリヒリし熱い飲み物や刺激物で痛むこともあります。

その他にも

・口が乾きやすい

・味が感じにくい（味覚異常）

・口内炎ができやすい、治りにくいなどの症状が出ることもあります。

カンジダ症の種類

口腔カンジダ症にはいくつかの分類があります。

・偽膜性カンジダ症：抗菌薬の長期使用や免疫力の低下が原因で発症しやすい。拭うと簡単に取れる。

・萎縮性（紅斑性）カンジダ症：舌が赤くなり、ヒリヒリと痛む

・肥厚性カンジダ症：粘膜が厚く硬くなり、できものができる。拭っても取れない。

義歯を長期間つけっぱなしにするのも注意

義歯を使用している方で、清掃せずに長時間装着したままにしている場合、カンジダ菌が増殖しやすくなります。その結果、義歯性カンジダ症を引き起こすことがあります。

どのような治療をするの？

口腔カンジダ症の治療は、歯科医院で行う事が出来ます。

治療法としては以下の方法（抗菌薬の局所投与）があります。

・抗真菌薬を含む塗り薬、内用薬、シロップ剤の使用

・口腔内のクリーニング（口腔清掃が不十分な場合）

・義歯のクリーニング（義歯性カンジダ症の場合）

ほとんどの場合、早期に適切な治療を行うことで回復します。

気になることがあれば歯科医院へ

口腔カンジダ症は、自覚症状が無いことも多くあります。

症状が現れた場合は早めに歯科医院を受診し、適切な対応をしましょう。

気になることがあれば、ぜひ歯科医院へご相談ください！