【全ての人が感染性物質を持っているという考え】
感染の有無を問わず、患者に用いた全ての器具・器材及び体液(血液や唾液)が付着した物は、全て感染性物質として取り扱います。この概念を標準予防策(スタンダードプリコーション)と言います。
感染には未知なものもあり、また自覚症状のない方もいる可能性があるからです。(新興感染症Covid-19も同様)全ての患者は平等です。
制御された清浄でクリーンな環境で、綺麗で安全な器具・器材を使用することを約束します。
感染から患者を守る イリタニオフィス10の約束
1.完全予約制
同時並列診療は行ないません。
2.個室診療
飛沫及び交差感染を防ぎます。
3.常時換気システム
診療室は常に清浄でクリーンな空気です。
4.全ての器具・器材を滅菌
滅菌出来ないものは使い捨てのSUD(単回使用医療機器)を使用します。器具の使い回しはありません。
5.スイッチ、ホース、コード類はカバー・スリーブ
交差感染を防止します。
6.ラバーダム防湿法を可能な限り使用
歯科医治療でもっとも有効な感染予防策です。
もっと知りたいラーバム防湿
7.手袋
患者様毎の交換又は15分毎に交換します。
8.マスク
高性能マスク、N95マスクを常時着用します。
9.術衣
患者毎に交換しています。
10.ワクチン接種
スタッフを感染から守ります。
個室診療
【プライバシーの保護とゾーニング】
完全予約制と個室診療により完全にプライバシーが守られます。
個室診療によるゾーニングは感染制御の基本です。
エアロゾル感染の可能性のある診療室レッドゾーンは、隔離された空間となります。空間内の空気はHEPAフィルター搭載の簡易陰圧装置及び手術用空気清浄ユニットの配置により浄化されています。常にクリーンな空気で診療を行います。
常時換気システム
(診療室の簡易陰圧装置)
米国疾病管理予防センター(CDC)ガイドラインの空気予防策に準拠したHEPAフィルター搭載の簡易陰圧装置、および手術用空気清浄ユニット(クリーンエリア)を使用して、空気を清浄化しています。
診療室内の空気は常に清浄化され綺麗な状態です。空気感染のリスクはありません。
見える 洗浄・滅菌室 滅菌保証を提示
中央材料室(洗浄・滅菌・器材の保管などを行う)はガラス張りになっており、作業をご覧頂けます。
使用された器具・器材は再生処理され保管されます。
滅菌の証明「滅菌保証」もご覧いただけます。
(中央材料室)
洗浄・滅菌のプロフェッショナル 第1種滅菌技師が専任
中央材料室の業務には第1種滅菌技師が専任で行います。(滅菌技士(師)は一般社団法人 日本医療機器学会の認定資格です)
中央材料室のスタッフは全員滅菌技士(師)の資格を取得しています。
滅菌器はヨーロッパ・クラスB規格LISA
歯科医院における小型卓上滅菌器は世界で最も信頼性のある規格、プレバキューム方式(*注釈あり)のヨーロッパクラスBのものに限ります。
世界最高峰のLISA(W&H社、イタリア)を導入しています。
(滅菌器 ヨーロッパクラスB規格LISA)
この規格に比べると日本規格のものは滅菌しているとは言えません。
世界最高峰の滅菌器で、初めて安全が担保され治療をすることが可能となります。
(滅菌が終了した内部)
プレバキューム方式とは
滅菌器内全てに蒸気を行き渡らせるために、事前に空気を除去し、内部を真空にしてから蒸気を入れる仕組みのものです。包装された器具や滅菌バック、管腔器材の滅菌が適応となります。滅菌は器具に蒸気が満遍なく当たることにより達成されます。
BはBigのBで、病院などで使用される大型滅菌器と同等の性能を持っています。
重力置換型 クラスN
プレバキューム式に対して、滅菌器の中に蒸気を入れて中の空気を押し出すのがクラスNです。包装されていない丸出しの器具が適応となります。NとはNakedのNです。
日本では重力置換型が多く使われています。
滅菌できないものはSUD(使い捨て)使用、機械類はカバー・スリーブ
治療で触れる機器類、切削器具、スイッチは全てビニールカバーやスリーブを装着し、患者毎に新しいものに交換します。
交差感染を防ぎます。
(治療器具のスリーブ)
ラバーダム防湿法
【飛沫やエアロゾル感染を防ぐ】
「ラバーダム防湿法=根管治療に使われるもの」と言われますが本来の目的は違います。
ラダーバム防止法の目的は、血液や唾液などの感染性物質のはねやしぶき、エアロゾルを最小限に防ぐことです。
本来の目的は感染制御です。CDCでは最も効果的であると推奨しています。
可能な限り全ての治療でラバーダム防湿法を使用します。
治療前のうがい
【口腔内微生物のレベルを低下させる】
処置前の洗口が歯科用ハンドピースや超音波スケーラーの使用中に発生する飛沫やエアロゾルに含まれる微生物のレベルを減らすことが研究で実証されています。
特に歯科衛生士が行う、ラバーカップの研磨や、超音波スケーラーの使用が必要な処置など、ラバーダム防湿法を使用できない処置の前に洗口すると有益です。
個人防護具
【感染しない、感染させない、を徹底的に】
個人防護具の目的は血液や唾液などの感染性物質の遮断です。患者から医療従事者、医療従事者から患者へ感染を広げないために必要不可欠な道具です。手袋やマスク、フェイスシールドのことを言います。患者毎に全て取り替えています。
(厚生労働省資料)
新興感染症COVID-19の感染流行期においては、個人防具フェイズを厚生労働省の資料を参考にしながら、3段階に分け、感染者数の動向を見ながら個人防護具の選択を行なっています。
更にCovid-19は呼吸器感染症であるため、呼吸器感染症の病棟でも使用されている、呼吸防護具を導入し、感染経路の遮断に努めています。
スタッフ全員が感染制御の知識を共有しあっており、受付から診療に至るまで、安全な空間を確保しています。医院の教育力の高さでもあります。
ワクチン接種
【感染症から身を守る・運び屋にならない】
感染が成立する3つの要因を排除することが感染対策につながります。ワクチン接種は宿主の免疫力を向上させます。
(厚労省:介護現場における感染対策の手引き 第2版)
医療関係者は自分自身が感染症から身を守るとともに、自身が感染源にならないよう、一般の人たちよりもさらに感染症予防に積極的である必要があります。また感染症による欠勤等による医療機関の機能低下も防ぐ必要もあります。
当院では、一般社団法人 日本環境感染学会「院内感染対策としてのワクチンガイドライン第1版」(現在は医療関係者のためのワクチンガイドライン第3版)を参考に、スタッフ全員が、B型肝炎、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘、インフルエンザのワクチン接種を行い定期的な抗体検査を行っています。
COVID-19のワクチン接種も全員接種済みです。
まとめ:標準感染予防策 イリタニオフィスの医院力の証明
【清潔さは医療の質に比例します】
感染予防策のレベルは医院力と質の証明です。
医療の中で歯科治療ほど感染リスクの高い環境は無いと言われており、感染予防策には最大限の努力を注ぎ込まなければならないと考えています。
(2023年現在の診療の様子)
当オフィスでは世界で最も厳しい米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention, CDC)のガイドラインの考えである“標準的感染予防策”を実践しています。
『歯科医療における感染管理のためのガイドライン』は2003年12月19日発行のアメリカ公衆衛生週報(MMWR)に公表されており2016年にアップデートされています。
日本の歯科医療ではほとんど行われていない世界標準の、標準感染予防策を遵守します。