根管治療で仮歯がなければ直に転院すべきだろう
歯を削った状態はカラダの内部が利出した状態
オフィスではインレーや補綴治療(冠・クラウン、ブリッジ)そして根管治療の際は原則全てのケースで仮歯(テック、TEK、テンポラリークラウン)を作成し治療を行なっている。
仮歯を作製なければその歯の問題だけではなく周囲の歯そして咬合まで変化をきたすであろう。
転院してくる患者のほとんどは仮歯は装着されておらず深刻な状態となっていることがほとんどである。顕微鏡やラバーダムを使っていようが仮歯がはじめの一歩でありなければ話にならない。
【症例】
左が転院初診時の状態、痛みが消失せず抜歯宣告。隣の歯が移動し噛み合わせが乱れていた。
もちろん普通に治療をすれば問題なく機能させることが出来る。隔壁を作製しラバーダムを装着可能な状態に。さらに仮歯を作製し感染予防と咬合の安定化を図る。
詳しくは→(根管治療と仮歯 http://iritani.exblog.jp/22127102/)
【仮歯は何故必要なのか】
1)感染防止
歯を削った状態はカラダの内部が利出した状態。汚染物やバクテリアなのど感染に暴露するんを防ぐため
2)審美的回復(見た目の回復)
3)歯の移動防止、咬合の変化を防ぐ
特に根管治療を行なっている歯に関してはかなりな頻度で移動を認める。
4)食事を普通に出来るようにする
5)シミュレーション的役割
採取的な本歯をどのようにするか患者の希望を聞くため
根管治療の際は特に残根状態での治療が問題となる。
治療中の感染の危険性、破折の危険性、ラバーダム防湿の困難性、歯の移動(後の補綴治療の問題)などのリスクがあるからである。
しかし、コンポジットレジンなどの接着技術の進歩により簡単に隔壁作成が可能となり安全に根管治療が行なえるようになっている。
根管治療や補綴・修復治療の仮歯(テック、TEK)の必要性
虫歯で歯を部分的に失い治療を行なうわけであるが、その際には欠損している部分を何らかの歯科材料で補うということが必要になる。
銀歯を除去し仮歯を入れる。テンポラリーインレーはインレーが出来るまでの間の感染防止と咬合の保全を担う
一般的な歯科治療では簡易的なもの(デュラシール、フィットシール、ストッピング)が多く見受けられ患者が転院しているケースがほとんどのように思う。
しかしそれではダメである。
簡易的な仮歯は歯科医学的には歯自体の感染が即時に起こってしまい、それに伴い破折のリスク、歯の移動による咬合・噛み合わせの変化、コンタクトポイントの不良を招いてしまう。仮止めがボロボロに脱離したり柔らかい感触があるのなら注意が必要である。
そのような取り返しのつかない不必要なリスクを患者に与えないためにオフィスではテンポラリー(仮歯)をほぼ全ケースでどのような状況でも作製し治療にあたっている。
仮歯は特に根管治療の際は絶対に必要と考える。感染予防だけの問題だけではない。特に奥歯の場合は仮歯無しでの治療は歯を移動させ治療中のみならず治療後も歯の形態などにを生じさせるからである。