唾液が守る健康の秘密!~高齢化社会で見直されるお口の防御システム~
「最近、口の中が乾く」
「食べ物が飲み込みにくくなった」
そんな症状はありませんか?
年齢を重ねると気になりやすいお口の変化のひとつに、唾液の分泌低下があります。
唾液というと「口の中を潤すもの」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
しかし唾液はお口を潤すだけでなく、虫歯や歯周病の他、食事や飲み込みにも関わっています。
高齢化が進む今、その重要性が改めて注目されています。

唾液は口の健康を守る天然の防御システム
唾液は1日に1~1.5リットル分泌されると言われています。
口の中ではさまざまな働きを担っています。
- 細菌の増殖を抑える抗菌作用
- 食事で酸性に傾いた口腔内を中和する働き
- 歯の再石灰化を助ける働き
- 食べ物を飲み込みやすくする潤滑作用
- 味覚を感じやすくする働き
- 消化を助ける働き
唾液は24時間休むことなく口腔内の環境を守り続けています。
唾液が減ると起こること
唾液の分泌が減少すると、その結果として
- 虫歯になりやすくなる
- 歯周病になりやすくなる
- 口臭が強くなる
- 食べ物が飲み込みにくくなる
- 味を感じにくくなる
といった症状が現れることがあります。
唾液量が減る原因としては、加齢だけでなく、服用薬やストレス、水分不足なども影響します。
高齢者の健康と唾液の深い関係
近年、高齢者の健康管理において「オーラルフレイル」が注目されています。
オーラルフレイルとは、口の機能が少しずつ衰えていく状態のことです。
噛む機能が低下すると、食事中に分泌される唾液(刺激唾液)が減少します。
唾液が減ると、食べ物をうまくまとめたり飲み込んだりすることが難しくなります。
その結果、食事量の低下や栄養不足につながることがあります。
また、飲み込む機能が低下すると、食べ物や唾液が誤って気管に入る「誤嚥」のリスクも高まります。
誤嚥は高齢者に多い誤嚥性肺炎の原因のひとつとして知られています。
いつまでも自分の歯で食事を楽しみ、健康な毎日を送るためにも、お口の機能を維持し、口腔内を清潔に保つことが大切です。
今日からできる唾液ケア
唾液分泌を促すためには、日常生活の中でできることがあります。
まず大切なのは、よく噛んで食べることです。
よく噛むことで唾液腺が刺激され、自然に唾液分泌量の増加に繋がります。
また
- こまめな水分補給
- 唾液腺マッサージ(耳の下やあごの下)
- 舌や口周りの筋肉を動かす体操
- ガムを噛む(酸が産生されないキシリトールガムがおすすめです)
- ストレス管理として十分な休息と睡眠
なども唾液分泌を助ける方法です。
いつまでも美味しく食べるために
唾液はお口を潤すだけでなく、虫歯や歯周病の予防のほかに、食事や飲み込みを助け、健康寿命にも関わる大切な存在です。
高齢化が進む現在では、誤嚥や誤嚥性肺炎の予防という観点からも、その役割が注目されています。
毎日の食事でよく噛むことや、口腔内の健康を保つことは、将来の健康づくりにもつながります。
お口の乾燥や飲み込みにくさが気になる場合は、早めに歯科医院へ相談してみましょう。

