噛む力が決める健康寿命!~咀嚼力低下が招く全身への影響~
「最近、硬いものが噛みにくくなった」そんなふうに感じることはありませんか?
私たちは毎日、当たり前のように食べ物を噛んでいます。
しかし、噛む力は年齢だけでなく、歯の状態や噛み合わせなど、さまざまな要因によって変化します。
近年では、咀嚼を含む口腔機能と健康寿命との関連も報告されています。
咀嚼力を維持することは、健康寿命を支える重要な要素のひとつです。

咀嚼力とは?
上下の歯で噛みしめる力を「咬合力」と言います。
「しっかり噛めれば、食べられる」と思う方もいるかもしれません。
しかし、食べ物を食べるために必要なのは、単に強く噛む力だけではありません。
いくら咬合力が強くても、それだけで上手に食事ができるとは限らないのです。
食べ物を噛み切り、細かく砕き、唾液と混ぜて飲み込みやすい状態にする
一連の動きを「咀嚼」といいます。
咀嚼には、歯や唇、舌や頬などのさまざまな機能が関係しています。
そのため、歯を失うことなどによって、噛む力や咀嚼力は変化します。
咀嚼力が低下すると?全身との関わり
咀嚼力が低下すると、食べられるものが限られ、栄養不足につながるといわれています。
しかし現代は、柔らかい食品も豊富で、調理方法も進化しています。
咀嚼力が低下したからといって、食事ができなくなるわけではありません。
注目したいのは、「食べられるか」ではなく、「何を選んで食べるか」です。
日本の高齢者を対象とした研究では、咀嚼能力が低い人でも、
炭水化物の摂取量には大きな差が見られなかった一方、
野菜、肉、魚などの食品や、タンパク質やビタミンなどの栄養素の摂取量が少なかったことが報告されています。
つまり、咀嚼力が低下しても食事はできます。
しかし、知らず知らずのうちに食べるものの選択肢が狭くなっている可能性があるのです。
特に高齢者では、食事から十分な栄養を摂ることは、フレイルを予防するうえでとても大切です。
また、歯の喪失や咀嚼機能と認知機能との関連についても研究が行われており、
フレイルや要介護状態との関連も報告されています。
さまざまなものを食べられることは、
年齢を重ねても健康に生活していくための大切な土台のひとつです。
日常生活でできる工夫
よく噛むことの目安として、昔から「一口30回噛む」ことが推奨されています。
よく噛むことで、唾液の分泌が促されます。
とはいえ、毎日の食事で一口ずつ30回噛むことを意識するのは、
忙しい現代の生活ではなかなか難しいものです。
30回という数にこだわらず、いつもより少しゆっくり、よく噛んで食べることを意識してみましょう。
また、噛みごたえのある食材を取り入れたり、
少し大きめに切ったりすることでも、自然に噛む回数を増やすことができます。
毎日の食事の中で、無理なく「噛む」ことを意識することから始めてみてはいかがでしょうか。
健康寿命を支える「咀嚼力」
咀嚼力は、単に食べ物を噛むためだけでなく、食べるものの選択や栄養にも関わる大切な力です。
いつまでもさまざまなものを食べ、健康に生活していくためにも、咀嚼力を維持していきましょう。
そしてこれからも好きなものを自分の口で食べ続けるために、歯の健康も大切にしていきましょう。
