【歯周内科】歯周内科ってなあに?

歯周内科とは

歯周内科」という言葉を聞いたことはありますか?

歯周病に対する新しい治療として注目されています。まず、歯周病について説明します。

歯が溶けるおそろしい病気

歯周病は細菌が原因で発症します。食べかすや細菌、細菌の出す代謝物などが混ざったものをプラークと呼びます。このプラーク内の細菌の毒素に反応して歯肉が炎症を起こすのが歯周病です。

赤い!腫れてる!出血!は細菌との戦い

歯ぐきの中に細菌が侵入すると血液中の免疫細胞(細菌と戦う戦士)が細菌を排除しようとします。多くの戦士を送り込むために血管は広がり赤く腫れます(炎症)。血液が集まっているので歯ブラシで簡単に出血します。

骨の感染は命にかかわります。歯槽骨を守るために細菌と一定の距離を保ちながら自ら骨を溶かします。最終的には、歯が抜ける恐ろしい病気です。

45~54歳では90%近くが歯周病と言われています。

歯周病の治療方法は?

歯周病の治療は原因除去が原則です。すなわち細菌(プラーク)を除去することです。歯周病の原因は歯石ではありません、プラークです。歯石は軽石のような構造をしており、その穴の中に生きた細菌が住みついたりプラークの温床になるので除去が必要となります。いくら歯石を除去してもプラークをコントロールできなければ歯周病は再発を繰り返します

 

再発させないためには患者さんに自身が自分に合ったプラークコントロールを身につけること大切です。正しい歯磨きの仕方やその他お口のケアについて習得していただきます。

薬の併用で相乗効果が期待

歯周内科は従来の治療とは異なり、を使って歯周病を治そう!というものです。原因となる細菌を薬を使って退治します。従来の治療に比べ、痛みが少なく治療期間が短縮されます。歯周病が進行していない方でも歯周内科治療を行うことにより、歯周病が進行しにくくなる効果があります。

歯周内科治療方法

  1. PCR検査および位相差顕微鏡により細菌の確認
  2. 細菌を除去する内服薬を服用
  3. 歯石およびプラークの除去
  4. 再評価(PCRおよび位相差顕微鏡で細菌の確認)
  5. 定期検診、クリーニング

位相差顕微鏡

ポイントとなるのが位相差顕微鏡での菌の確認になります。歯周病菌が多いか少ないか、又はどのような種類の菌がいるのかを確認します。歯周病が進行している方のプラークからは「トレポネーマ」という螺旋状の菌が見られます。他にもカンジタなどのカビ菌やアメーバが見られる場合もあります。お口の中には何百種類もの細菌が数億存在しています。。

位相差顕微鏡

定期的なクリーニング

内服による除菌で口腔内の環境が改善されてもその状態が維持されなければ意味が無くなってしまいます。そのためにも、定期的な検診と歯のクリーニングが必要になります。

歯周病は感染症であるため再感染を起こさないためにもセルフケアと定期検診が必要になります。

歯周内科による除菌作業が一旦終わっても気を抜かないで下さいね。

 

参照

歯周病と薬について考える国際歯周内科学研究会はこちら>>

2024.02.21更新

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