予防とは
予防とは、虫歯や歯周病にならないためだけのものではありません。治療した歯を、再び悪くしないことも大切な予防です。
新たな虫歯や歯周病を防ぐこと。
治療した歯を良い状態に保つこと。
そして、小さな変化を早期に発見すること。
そのために行うのが、定期的なメインテナンスです。
メインテナンスでは、プラークや歯石を除去するだけではなく、虫歯や歯周病の状態、治療した歯の詰め物・被せ物などに変化がないかを継続して確認します。
歯周病予防には徹底的なプラークの除去
歯を失う2大原因は、虫歯と歯周病です。
この2つの疾患を予防するためには、徹底的なプラークの除去が必要不可欠です。
歯周病を予防し、治療後の良好な状態を維持するためには、プラークを継続してコントロールすることが大切です。
過去の研究では、2〜3か月ごとに専門的なプラークコントロールを継続することで、歯周病の進行や再発を抑え、良好な歯周組織の状態が長期間維持されたことが報告されています。
虫歯を予防するには
虫歯にも、プラークが深く関係しています。
歯と歯の間(隣接面)や歯肉との境目、歯の溝など、プラークが付着しやすい場所は虫歯の好発部位(できやすい場所)といわれています。
特に歯と歯の間(隣接面)はプラークのコントロールが難しく、虫歯ができても見つけにくい場所です。プラークが付着したままでは、その下にある歯面を十分に観察することができません。
そのため当院では、プラークを除去するところから歯科用顕微鏡を使用します。
顕微鏡で拡大して確認しながら、プラークを徹底的に除去します。
その後、きれいになった歯面をさらに顕微鏡で観察し、小さな虫歯や歯面の変化がないかを確認します。
再石灰化を促す
虫歯は、見つけたらすぐに治療するとは限りません。
初期の虫歯では、状態により再石灰化を促しながら経過を見ることもあります。
きれいになった歯面に、直接、フッ素を含む薬剤(フッ化物バーニッシュ)を塗布します。
フッ化物には、歯から溶け出したカルシウムやリンが再び歯に取り込まれる「再石灰化」を促し、歯を酸に溶けにくくする働きがあります。使用するフッ化物バーニッシュには、フッ素に加えてカルシウムとリンの供給源となる成分が含まれており、塗布後もフッ素・カルシウム・リンが放出されます。
小さな変化のうちに見つけることができれば、「すぐに削る」以外の選択肢を持てる場合があります。
一生を見据えて歯を守る
早期発見は、必ずしも「早く治療する」ということではありません。
経過をみるのか。
再石灰化を促すのか。
それとも、将来その歯を長く使うために、今治療した方がよいのか。
その歯の将来を考えて、いつ、どこまで介入するかを判断することが大切です。
できるだけ歯を削らない。
できるだけ歯を残す。
そして、治療した歯のその後の変化を見続ける。
予防と治療は別々のものに見えますが、目指すところは同じです。
自分の歯を、できるだけ長く使うこと。
そのために、治療が終わったあとも、定期的なメインテナンスを通して、一人ひとりの歯の変化を見続けていきます。