歯科の2大疾患とされるう蝕(虫歯)および歯周病は、その発症や進行により歯の喪失が生じると、口腔機能障害を引き起こし、歯や口腔の健康のみならず、全身にも悪影響を及ぼします。
歯磨きだけでは健康は守れない
虫歯および歯周病は細菌による感染症です。しかし発症のメカニズムはとても複雑であり、細菌・唾液・咬合などの他、食事や歯磨き・喫煙・飲酒などの生活習慣、ストレスなどの社会的要因、免疫・全身疾患などその発現には多くの因子が関与しています。
発現に関わる因子を科学的根拠のある検査によって明らかにし個別のケアプランを作成します。
(サリバチェックラボ 口腔内細菌検査サービス webサイト)
一人一人の患者さんに合ったオーダーメイドの予防戦略が可能となります。
歯科衛生士の役割 予防と健康増進
歯科医師は治療を、歯科衛生士は初期治療(口腔衛生指導や歯周基本治療など)および治療後の管理・異常の発見・メインテナンス・健康増進・予防などを担う完全分業制です。
歯科医師と協働して患者さんをサポートします。
(歯周基本治療とは 日本歯周病学会HPより)
検査より得られた結果を元に現在のお口の状態を説明します。
- 現在のお口に至るまで(過去)にどのような問題があったのか
- 現在のお口の問題は何か?
- 将来(未来)起こるえる問題は何か?
健康維持・増進への理解を深めていただき、自ら積極的に参加していただきます。
顕微鏡を使用した歯石の除去は動画でご覧ください
歯石の除去は外科手術と同じ
歯科衛生士も全ての処置に歯科用顕微鏡を使用します。処置の精度を高めるため歯科衛生士の処置にも必ずアシスタントがつきます。歯科衛生士の目線(手2本)とアシスタントの目線(手2本)の2人の目線(4本の手)“4 Hand Technique フォーハンドテクニック”で診療を行います。
歯周ポケットの中(歯肉縁下歯石)の歯石を除去する場合にはアシスタンが必ず必要になります。
フォーハンドテクニックを使った歯石の除去
フォーハンドテクニックのメリット
- ミスを防止する
- より多くの情報を収集できる
- 器具操作時間及び処置時間の短縮
- 診療の質を向上
- 感染予防(米国疾病予防センター推奨)
メインテナンスの重要性
歯周病を再発させないためには90日に1度(プラークコントロールが良い場合には〜6ヶ月以内)歯周ポケットの中のプラーク(歯肉縁下プラーク)を除去することが大切です。
歯科予防大国のスウェーデンでは担当の歯科衛生士(マイ・ハイジニスト)が医院を移ると、患者さんがついていくほどに歯科衛生士への信頼が厚いとされています。
口腔を通して心と体の健康を守るパートナーとしてマイ・ハイジニストを持つことをお勧めします。
Advance Care Planning アドバンス・ケア・プランニング
アドバンス・ケア・プランニングとは「将来の医療及びケアについて、患者さんを主体にその家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセスのこと」です。
患者さんの人生の価値観、希望に沿った、将来の医療及びケアを具体化することが目標です。
より良い人生の最後を迎えるために。私たちはこの概念に基づいて口腔のケアを通して患者さんの人生の意思決定のお手伝いをしています。
皆様のご来院をお待ちしております。